2012年04月19日

既存不適格工場の用途変更について[昭和32年住指受第1026号]

 
昭和32年11月1日
兵庫県土木建築部長宛 


(照会)

住居地域内の不適格工場(針布工場)が閉鎖されたのを機会に、他の者が買収し、用途を変えて新たな工場(ビニール・パイプ製作)として装備し、操業を開始しようとしている。この場合、法第86条の2の規定に基く令第137条の4、及び法第87条の規定に基く令第137条の9第2項(現第137条の10)等の取扱いはどのようにすればよいか、左記の諸点についてお伺いする。
但し、この工場の敷地を含めてその附近は、その工場が閉鎖して後、工場買収までの時機において、住居専用地区に指定されたものである。
       記
一 この工場は一たん閉鎖(廃止)したものであるから「既存建築物」とみられないので、法第87条第2項本文の規定により許可を要するものと解すべきか。
二 なお、この場合は、閉鎖(廃止、停止、休止等)の期間等は、具体的にはどの程度をもつて判定の基準とすべきか。
三 仮に「既存建築物」と見られる場合でも令第137条の9第2項(現第137条の10)の取扱いについては、法別表第3(現別表第2)においては、「同一の号に列記する用途」に該当するものがないから、「類似」の用途相互間における用途の変更とならないと解し、法第87条第2項本文の規定により用途変更の許可申請を要すると解すべきか。
従つてこの場合は不適格部分の全部を用途変更することになるので令第137条の9(現第137条の10)の緩和規定は適用されないと解すべきか。
四 「住居専用地区」の不適格の取扱いについては、本件のように前工場の廃止直後に既に用途変更の意図をもつて買収計画を進めていた場合にあつては、法第3条第2項の規定の主旨を援用し、これを既存建築物として取り扱つてよいか。
  
(回答)
一 記の一については、この工場が廃止又は休業されたものであるかどうかは、添付資料だけでは判然としないが、廃止されたものか、休業していたものかの判断は、その建築物や機械設備等の各種の状況から客観的になさるべきものであり、例えば機械設備を全部持ち出して、相当の期間空家のまま放置されていたような場合には、前工場は廃止されたものとみるべきであるので、このような場合には貴見のとおりである。
二 記の二については、どれぐらいの期間放置されたら廃止とみるべきかは、放置された状況によるので一律にはいえないが、例えば機械設備等を全部撤去し従業員も全部解雇したような場合には、数日間でも廃止とみなされる場合もある。
三 記の三については、専用地区の制限に関する令第137条の9(現第137条の10)にいう類似の用途は、法別表第3だけでなく、法別表第2の類似の用途相互間をも含むものである。
四 記の四については、その建築物に対する権利を取得し、機械設備や造作の変更工事等により客観的に当該用途に供する建築物と認められるときは、法第3条第2項の既存建築物として取り扱つてよいが、単に買収交渉を始めていたというだけでは、法第3条第2項の緩和規定の適用はない。
以上のとおり、もし前工場が廃止されたものであつても新工場への用途変更には許可が必要であり、前工場が単に休業していたものであつても、前記四の理由で類似の用途とはみなされないから、許可が必要である。
(注) 住居専用地区は現在廃止され、別表第2と第3は、別表第2として1つになつている。


posted by 忘れん坊 at 22:38 | Comment(0) | 用途変更 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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